Implementation 支援事例

門学院大手前中・高等学校

効果検証ができないアナログの広報活動から脱却。
包括的なデジタル戦略導入で中学受験者130%アップ!

追手門学院大手前中・高等学校は、大阪城を一望できる大阪市中央区大手前に位置する中高一貫の私立校。「独立自彊・社会有為」を教育理念とし、「個別最適な学び」と「教科の枠を超えた探究」を通じ、新しい時代に必要な力を育む学びの機会を提供しています。

今回は入試広報部長の藤井先生に、これまで抱えていた生徒募集における課題と2023年度から導入したデジタル戦略による広報活動及び受験者の反応の変化について伺ってみました。

※本記事は2024年10月時点の情報となります

Interviewee

追手門学院大手前中・高等学校
入試広報部 部長 英語教諭

寿 先生

  • アクセス面や一部のクラブ実績に偏り、学校の本質的な魅力が届いていない
  • 学内でICT導入による効率化が進むなか、入試広報は依然としてアナログ型にとどまる

  • 2023年より包括的なデジタル戦略導入し、「数を追う広報」から「質を意識した広報」
  • イベント参加者の約70%がイベント参加前=情報収集段階で接触できていた

  • 導入初年度の中学受験者数が前年比130%アップ
  • 受験者数拡大のなか、歩留り率も高く、最終的な入学者数は前年比115%アップ
  • 2024年度入試では1クラス増の4クラス設置

塾訪問や広報物郵送を中心としたローラー作戦が中心
「伝わらない」「効果検証できない」広報活動

はじめにこれまでの広報活動の課題についてお聞かせください。

私は今年から入試広報部長を担当しているのですが、2012年〜2020年にも広報を担当していた時期もあり、当時からよく話に上がっていた課題は大きく二つありました。
 
まず一つは、大阪城に隣接しアクセスが良い面がフォーカスされることが多く、学校の本質的な特徴がしっかり伝わっていないという課題がありました。また、ロボットコンテストの世界大会で二度優勝しているクラブもあり、こういったイメージが強かったことで、募集の男女差にも影響が出ていました。「個別最適な学び」と「教科の枠を超えた探究」が本校の教育の軸であり、教員と生徒の1on1の定期面談や専任チューターが在籍する校内自習室など、本校の教育を実現するための学習環境を整えてきましたが、実際にはそれが受験者側には伝わっていないことが多く、「説明会で初めて知った」という方も多かったです。

一人ひとりの習熟度と目的に合わせた個別最適な学び
社会問題や科学・ITなど、テーマに基づく探究活動

二つ目として、今までの広報活動は塾訪問を中心としたローラー作戦が主でした。学校の認知拡大を目的に全教員でエリア内の1000弱の塾に訪問したり、広報物を郵送するなどのアナログな方法です。もちろんこのような草の根活動も大切ですが、お金と労力をかけている割に受験者の反応はあまり変わらず、もう少し効率的な手法がないかと日々悩んでおりました。

他にはどのような広報施策を行っていたのでしょうか?

認知拡大という意味では、新聞や雑誌の広告なども実施していましたが、紙媒体は効果測定が難しいというのも悩みでした。
学内では広報活動の効果検証を求められますが、アンケートなどで「どの媒体で知っていただきましたか」と聞いても、なかなか正確な回答は得ることは難しかったです。一方、露出が減ることの影響や他の手法がないこともあり、一時期までは継続的に新聞や雑誌に広告を出稿していました。
 
そんななか、2022年に「学校法人全体でDX化を進める」と発令されたことで大きな転換点を迎えました。学習支援システムや校務支援システムの導入など、さまざまな面でデジタル化が進んでいたなかで、「広報面のDX化」についても議論が始まりました。デジタル広告やYouTube動画などの話は色々な会社さんからお話をいただきましたが、コンテンツ制作だけで本当に受験者に伝わっていくのか?と思い、なかなかDX化に向けた戦略は進展しませんでした。
 
そんな時にPLANEdさんが開催していた「広報募集のDXセミナー」に学内の先生が参加し、情報収集段階から学校選択まで「ユーザー視点で流れを意識したデジタル戦略」の話を聞けたことがきっかけで、色々と相談させていただくこととなりました。

当時の広報活動について語る藤井先生

デジタル上でのターゲティングから囲い込み、検証・分析まで
点と点をつなげる包括的なデジタル戦略がイメージできた

PLANEdの考える「広報募集DX」について、どのように思いましたか?

まず、学校HPや説明会に入ってくる前=デジタル上での情報収集段階から対策することで「潜在層との接点を広げる」という考え方は大きかったですね。これまでは塾訪問や広報物配布など、広く薄いターゲティングしかできていなかったので、デジタル上での行動に合わせた詳細ターゲティングにより、今までアプローチできなかった層と接点を持てるのは有効ですよね。
そして、ただ接点を増やすだけで終わらず、その後に学校の理解を深めるコンテンツの在り方や、関心をもったユーザー層を囲い込み、イベント参加や出願という行動まで繋げていく、この一連の流れをデジタル上で構築するという考え方は非常に興味深かったですね。

受験生向けに学校の魅力や情報をわかりやすくまとめた特設ページ

また、PLANEdさんが一番秀でていたのは、デジタル戦略の立案・運用サポートだけではなく、「検証・分析」から「レポート共有」までのフィードバックしてくれる点でした。これまで様々な広報施策がありましたが「やりっぱなしになってしまっている」という課題感をずっと持っていて、「これをやったらこうなった」という検証の積み重ねが一番重要だと考えてはいましたが、実際にはそこまで至っていないというのが現状でした。
学校に寄り添い、「戦略」・「運用」・「分析」までをパッケージ型で支援するというPLANEdさんのスタイルは、本校にとって非常に助かっております。

レポート共有イメージ

中学受験者数が130%アップし、入学者数は115%アップ
数から質を追い求める広報戦略へ

実際にデジタル戦略を導入した初年度はどのような変化がありましたか?

2023年度の入試イベントは参加者数が全体的に増えていたので、出願前の段階で大きな手ごたえがありました。
実際に全入試イベントのアンケート結果を見ると、説明会参加者のうち約70%が、事前の学校情報収集段階で本校のデジタル施策上で接点を持てていたことがわかりました。事前に本校の本質的な特徴に触れている方が増えたことで、昨年と比較し、説明会時点で「思っていた学校と違う」というミスマッチの方がほとんどいなかったというのも大きな変化でしたね。

最終的な入試結果として、中学受験の出願総数は前年比で130%アップとなりました。
特に入試初日午前中の枠の受験者数が前年比で135%アップするなど、志望度の高い受験者割合が増えたことで歩留まり率が向上し、最終的な入学者数も前年比115%アップ、当初3クラスの予定でしたが、1クラス増の1学年4クラスに増やすことになりました。

最後に今後の広報戦略の方向性について教えてください

現在の少子化の流れでは、広報戦略を「とにかく数」というところから「質を追い求める」ところに移行していなければなりません。母数が減っている中で、1人でも多く自分たちの学校の本質的な魅力に気づいてもらいたい、というのがこれまでの課題だった中で、「デジタルを活用したマーケティング」という土台ができあがったと感じています。
 
社会の変化とともに、生徒たちが学校に求めるものが変わってきている中で、教育内容やコンテンツもブラッシュアップしていかなければならないと思います。それと同時に、ブラッシュアップされた学校の情報を効率的に伝えていかなければならない。DXの広報戦略で効果測定をしっかり行いながら、「伝えるべき人に伝えていく」ことを繰り返していくことが重要だと考えています。

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