
追手門学院大手前中・高等学校
敬愛小学校
学校法人鎮西敬愛学園 敬愛小学校は、福岡県北九州市門司区にある私立小学校。
浄土真宗本願寺派の宗門校でもあり「こころの教育」を軸に、「学ぶプロセス」を大切にする学習のほか、最先端のICT教育に力を入れており、2014年よりBYOD形式で1人1台のiPadを導入。また、日本の小学校では初めてとなる「OXFORD QUALITY(オックスフォード クオリティー)」の認定校として世界基準の英語教育を展開。
今回は敬愛小学校校長、敬愛幼稚園園長を兼務する龍先生さんに生徒募集における課題とデジタル戦略導入後の広報活動面の変化について伺ってみました。
※本記事は2024年10月時点の情報となります
敬愛小学校 校長
敬愛幼稚園 園長
以前より、エリア内の幼稚園や幼児塾へ訪問し、学校案内やイベント情報のチラシを配布してもらうなどの基本的な広報活動は行ってきました。一方で本校が力を入れてきた広報施策としては、デジタル上での情報発信になります。学校情報収集もデジタルが中心となる時代なので、受験生の保護者はもちろん、在校生やその保護者にもすぐに届けたいという思いで、ブログは14年以上365日続けていましたし、ホームページやFacebookもこまめに更新してきました。
情報発信の機会は多いものの、すべて学内で運用してきたこともあり、それぞれの媒体特性に合わせた棲み分けができず、情報が画一化していくことに課題を感じていました。「これで良いのだろうか?」と自分の中でも疑問があり、もう一歩先に行くための戦略がほしいなと思っていたんです。
具体的には新たな受験者層の開拓になります。ホームページやブログなどをチェックしてくれる、本校に興味を持った保護者には学校情報は届いていたかと思いますが、その周りにいる方=潜在的な受験者層に情報を届けたいなと常々思っていました。
北九州市も年々少子化が進んでいくなか、「幼稚園の後は公立の小学校に進学する」というのが当たり前のルートになっています。本校の学校案内やリーフレットに触れている人は、そもそも私立小学校受験に興味がある人だと考えています。そのなかで、私立校と公立校の環境や教育内容の違いはもちろん、私立小学校への受験という選択肢を広げ、まだ敬愛小学校を知らない人にも情報を届ける方法はないかと探していました。
新たな受験者層開拓のために、地域の保護者の方が集まりそうな百貨店などで本校の個別相談会なども開催したこともありました、ただ、そのイベント自体を告知する手段も基本的にはホームページやブログなど、現状の広報ツールが中心のため、受験者層の新規開拓といった目標にはなかなか繋がらなかったという経験もあります。
そういった課題を感じているなか、PLANEdさんが主催するセミナーへの参加をきっかけに、「デジタル戦略による潜在的な受験者層開拓」というコンセプトに興味を持ち、本校の入試広報の現状と課題についてPLANEdさんに相談し、一緒に対策を考えていくことになりました。
まずは、受験者向けの情報発信ツールの軸としてLINE公式アカウントの活用という点に興味を持ちました。最初は自分でアカウントを取得し学内で運用していましたが、これまでブログやFacebookで情報発信してきた内容と変わらず、知見に基づいたコツがいると分かりました。
自分の知識だけでやると「伝えたい!」という思いが先走って、月にたくさん送ってしまいブロックされていたのではないかと思います(笑)。PLANEdさんに運用サポートいただくことで、既存コンテンツを活かしながらも、保護者や第三者の目線で配信タイミングや内容をアドバイスしてもらえるのはありがたかったですね。
また、LINE公式アカウントに登録してもらうために、どのように引き込むか?といった、デジタル上での入り口から本校の特徴を伝えるコンテンツ制作まで包括的にサポートしてもらえた点が大きかったですね。
これまでの幼稚園・幼児塾訪問だけでは接点を持てなかった保護者層をデジタル上でターゲティングし、本校のコンテンツまで誘導する流れを専門家に構築してもらったことで新たな受験者層の開拓につながったと感じています。
新たに敬愛小学校のことを知った方でも、「学ぶプロセスを大切にする環境」「最先端のICT教育」「ネイティブ英語教育」などの学校の特色や強みがわかりやすく掴めるストーリーをつくり、コンテンツ化してもらえたことが、入試イベントの集客にも繋がっていったと考えています。
ホームページ内の入試イベント情報ページのアクセスが前年比の3.5倍に拡大したのは驚きました。これだけ訪問者が増えたのは、今年度の受験対象者=年長児の保護者だけではなく、翌年度以降の対象となる年中児、年少児の保護者の方々にも閲覧してもらっていただけたからだと思います。つまり今年だけの受験対策ではなく、先を見据えた受験者層の囲い込みにもつながっていると思いますね。
実際にオープンスクール参加者が事前の情報収集段階でPLANEdさんに制作してもらったWEBページを見ていることが多く、学校の特徴を事前に把握したうえで来校し、「校長先生の話を直接聞いて、より深く学校について知ることができた」というコメントが増えました。
学校への理解度が高まっていると感じた点は、最終的には専願受験者の割合に表れており、専願率は34.2%から43.8%と前年比で9ポイントも拡大する結果につながりました。
また、小学校だけではなく、幼稚園の説明会来場者も倍近く増えたので、鎮西敬愛学園全体のブランディングにも波及していっていると感じました。
デジタルの重要性を感じつつも、紙媒体などのアナログ施策を完全になくす訳ではありません。実際にパンフレットを手にもって、家族でそれを見ながら議論する、というシーンもあると思いますし、在校生がパンフレットに掲載されることも広報活動としては重要です。
今後はデジタル戦略で受験者層との接点を広げながらも、色々なシーンを想定してデジタルとアナログの良い比率を探っていきたいと考えています。
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